国土交通省が、港湾の釣り公園管理に釣り人も参画へ
「みなとの環境シンポジウムin大阪」で方向づけ
釣り人と、港湾関係者がはじめて公式に話し合う集いが開かれた。国からは港湾の親水設備の管理への市民の参加を
求めるという、新たな立場が示され、排斥する側とされる側という従来の関係が、根本的に改められようとする、
釣り人にとって歴史的な一日だった。
「みなとの環境シンポジウム・イン大阪=市民参加と魚釣り公園=」
日時と場所 3月23日午後2時から、大阪市北区天満橋の大阪キャッスルホテルで
主催 国土交通省近畿地方整備局港湾空港部
後援 大阪市、(財)大阪湾ベイエリア開発機構
基調講演 「大阪湾の釣り いま、むかし、みらい」
((社)全日本釣り団体協議会來田専務理事)
報告1 「みなとの環境づくりと市民参加について」
(国土交通省 港湾局環境整備計画室酒井専門官)
報告2 「大阪南港魚つり園における社会実験について」
(国土交通省近畿地方整備局海洋環境・海岸課 中川課長補佐
パネルデイスカッション
パネリスト 來田氏(前掲)
岸氏(フリーライター・エデイター)
酒井氏(前掲)
薮内氏(大阪市港湾局企画振興部開発課長)
前中氏(大阪南港魚つり園園長)
コーデイネイター 杉原氏(株・地域計画建築研究所副社長)
それぞれの立場から、海の環境、釣りへの思い、釣り公園の管理においての問題点などが熱っぽく語られた。
概要報告
国から示された新たなスタンス
1、 港の数は全国で1088港ある。
2、 港の基本的な機能は
@ 交通(もの、人、情報の流れ)
A 産業(業務、生産、エネルギー基地)
B 安全(波浪、高潮、津波から市民の財産と生命を保護する)
C 生活(居住、憩い、レジャー、交流、廃棄物処理)
D それらに続き、自然環境(干潟、藻場、植生)などの保存、再生
という新たな役割が浮かび上がってきた。
自然環境の活用と推進
海浜・干潟等の保全・再生・創造について
1、 自然再生の推進が政府全体の方針である。
2、 港湾においても、自然再生事業を推進しなければならない。
その例として、港湾整備により発生する良質な浚渫土砂を利用して、NPOや地域住民など多様な参画を
計りながら、海浜や藻場、干潟を保全・再生・創出するほか、臨海部に大規模な森を作るなどの事業を
すすめつつある。
3、 海辺の自然環境を活用した自然体験活動や環境教育を促進する。
4、 釣り公園もその活動のひとつである。
こうした機会を作るために港湾における施設だけではなく、運営、釣り方、マナーの指導などという、
ソフト面での取り組みを実施し、そのための自然体験リーダーを育成していく。
5、 市民、NPO、地域との連携によって全国各地でさまざまな「海辺の自然学校」を展開していきたい。
釣りに関連する事項の解説
国交省の側から
全国の港湾区域内ですでに釣り公園が作られている。
しかし、釣りという遊びの基本的なこころ、マナー、釣りかたなどが公園入園者に伝えられていない。
ハード面での親水施設ばかりではなく、釣りの指導者が求められている。
一方、港湾全体で釣りを楽しむ人々はかなりな数にのぼるが、これまでは黙認あるいは釣り禁止の場所が多かった。
ハード面でも直立した護岸や、消波構造物による危険が目だっていた。
これからは、港湾内にも市民が海と親しめるような場所が必要とされる。
港湾内で、危険であるからと立ち入り禁止にしていた場所を、安全に考慮した護岸、防波堤にかえて釣り公園化し、
一般市民に公開して行くことが考えられる。
しかしこれを管理し、指導するシステムがまだ作られていない。
市民と一帯になって管理ソフトを考えて行きたい。
護岸や埋立地ばかりではなく、沖の一文字防波堤や河川敷、湖沼などでも、市民に親しんでもらえる水辺の再生に
取り組む方向である。
釣り人の側から
釣り人にとっては、古来、港は釣り場であった。
しかし、釣り人は、港湾当局の姿勢によって、港から締め出され、市民と海の接触は絶たれていた。
これまでの40年あまりの間に、廃棄物の流入で、海底はヘドロに覆われ尽くした。
ここ数年水質はかなり回復してきたかに見えるが、海の生物に関しては、減少の一途をたどっている。
さらに、大規模な埋立地の造成などにより、魚の産卵、成育場所である砂底が無くなって、内湾性の魚の減少に
拍車をかけている。埋立てにより、潮流に変化が起き、回遊魚すら少なくなっている。
釣り人は、絶えず海と接触しており、海の自然に対し最も敏感な存在だ。
一方で、不特定多数の釣り人が海辺に残すゴミや、海の生き物に対する接しかたなど、モラルの面から反省すべき点も
数多い。
港湾当局の柔軟な姿勢と、海釣り公園を造るがそこに釣り人を閉じ込めるという意思はないことが確認された以上、
全力をあげて、この方向に積極的な協力を示すべきであろう。
すでに釣りインストラクターという、主旨を同じくする制度があるので、これを活用して、全国的な規模で管理ソフトの
具体案にとりかかるべきである。
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