環境省外来生物法関連
第3回オオクチバス小グループ会合
平成17年1月7日(金)午前10時から午後1時40分まで
東京霞ヶ関の経済産業省別館9階で開催
オオクチバスの特定指定の可否など、取り扱いに関する会議が公開で行われました。
議事概要や提出資料については数日中に環境省のホームページで発表されることになっていますが、全釣り協では、下記のような提案を提出しました。
第3回オオクチバス小グループ会合資料
オオクチバスの秩序に関し釣り人からの提案
(社)全日本釣り団体協議会
わたしたち(社)全日本釣り団体協議会は、オオクチバスの指定につき、暫定的な秩序の形成が先行すべきであると考えております。可否に関しては、その成果により判断すべきではないかと提案します。
我が国では、さまざまな外来生物に関して、その有効利用を前提として移入がすすめられてきました。その中で、バスについては、すでにその功罪は、長期にわたって議論が続いています。ただ、これまでの各種協議の機会等でも、すべての局面で「イエスorノー」の対立関係のもとに事が論じられてきたため、有効な対策に手をつけることが出来ませんでした。
振り返ると、一部の釣り人の間では、外来魚の存在が、在来生物に対し影響を与えるのではないかとの考え方は、かなり早くから存在していました。一方で、現実とかけはなれた全面否定や、全ての問題をバスに押し付けるかのような姿勢に、反発と不自然さを感じているのが実情でありました。ことにここ数年、外来魚に関して、われわれ釣り人から見れば、偏った資料に基づき、非難する報道が繰り返され、対立関係をさらに激しくする方向へ追い込んできたと判断しています。
全釣り協は「釣り人が合意協力できる秩序の形成」を念願し、「オオクチバスを特定魚種に指定しない」立場をとっております。しかし、今回の会合については、相互の信頼関係の樹立とともに、釣り人が、一人の国民として我が国の自然環境の現状を憂慮しているとの心情を理解いただく上で非常に重要な位置付けであると考えます。また、有意義な結論すなわち、一定の秩序のもとに実行可能な具体的計画を見出す責任があると考えています。
このような現状に鑑み、指定が行われなかった場合において、釣り人が行動可能な事柄をまとめました。
釣り人がこれから出来ること、なすべきこと
1、 積極的にあらたな秩序を形成する意識を確立するためのムーブメントを展開することとします。
2、 当会では、違法放流は既に行われていないと判断しておりますが、生息域の拡大を防止するため、放流、移植に関し、これが違法(都道府県内水面漁業調整規則)行為であることを、関係釣り団体の連絡網、機関紙、釣り関連報道機関等を通じて、さらに周知徹底させるよう働きかけます。
全釣り協(都道府県釣り団体協議会、広域団体、釣りインストラクター連絡機構)でも、すでに全国各地で開催してきた釣り教室や、日本釣振興会と共催による釣り教室などで、この問題を周知徹底させます。バス愛好者団体においても「NP0法人 日本釣り環境保全連盟 」等を結成し環境問題を学ばせる努力を続けています。
3、 公認釣りインストラクター等を中心に、あらたに釣り場環境の保全に関する講習会等を全国規模で実施し、一般釣り人、釣具店、関係業者等にむけ指導、知識普及をはかるための「環境チェッカー制度(仮題)」を発足させる計画です。
4、 地域や関係機関等と連携を保ち、在来貴重魚種保存のための防除地域等を検討し、これら地域では外来魚を抑制するなど、在来魚の生息環境維持再生活動への積極的な参加協力体制などを整えることを計画します。
5、 全国的に各地域の人々と意見交換するためのマニュアルを作り、可能な限り早期に意見交換の機会を設け、釣り場で生じている外来魚対策をはじめ、ごみ、駐車場所、水質問題ほか諸問題の解決策について十分な話し合いを行いたいと考えます。
6、 地域との話し合いにより、緊急防除地域とは別に自主的防除地域を設定することを計画します。“自主的防除地域”と、“在来魚との共生地域”を区分し、防除地域で、釣り上げたオオクチバスを集めて、許可された、釣り堀や共生地域に移動させるなどの処置を呼びかけます。要請があれば公有水面に限定せず私有、あるいは自治体等の管理水面においても同様実施する計画です。この運動は釣りを通じて生息場所の整理整頓を積極的、自主的に行うものです。
7、 共生地域においては、地域の実情に応じた外来魚対策及び管理ルールを策定し、来訪する釣り人にこれを徹底遵守するよう呼びかけます。
8、 上記の項目についてご理解いただけた場合、ガイドライン作成や具体的な管理体制及び場所の限定等については、今後もより詳細に協議する機会を継続していただき、信頼と協力関係の確立を希望します。
9、 秩序形成以後も、外来魚及び在来魚の生息状況などに関する、綿密な調査が必要となります。専門研究者、漁業者に加え、釣り人にも積極的な協力を呼びかけたいと考えています。
【所感】
第2回会合においては、相互理解と信頼関係の樹立に向けての可能性が生じつつあるように感じていましたが、会議は積極的な打開に向けての方向が見られずに、微細な言葉の解釈の相違や、数字に拘泥して、かえって対立関係が浮き彫りにされたように感じました。しかし、あきらめることなく、委員のみなさんの良識を信じ、次回19日の第4回会合にそなえて、釣り人の提案を継続することに方針をかためています。
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