相互理解と信頼関係を目指し環境省バス小グループ会合
12月7日朝10時から、経済産業省別館会議室で環境省の「特定外来生物被害防止法」に
関連して、「第2回オオクチバス小グループ会合」が開かれました。
この会合は、去る12日に開かれた「第1回特定外来生物等分類群専門家グループ会合(魚類)」
によって特定魚種指定の候補としてあげられている、ブルーギル、コクチバス、ライギョ、ノーザンパイク
、ヨーロッパオオナマズなどに続き、オオクチバスを候補に入れるかどうかについて、その社会的な
影響の大きさから、別枠で審議しようというものです。
委員は学術経験者(研究者など)のほか、利用者側から、(社)全日本釣り団体協議会、
(財)日本釣振興会、全国内水面漁業協同組合連合会が出席しています。
第2回会合のテーマは
◆ オオクチバスが特定種に指定された場合の影響
◆ オオクチバスが特定種に指定されない場合の影響
についての意見交換で、出席者それぞれから以下の議事概要のような意見が提出された
あと、さまざまな議論が行われました。
特定外来生物被害防止法(外来生物法)の基本方針(環境省のホームページ参照)によれば、
明治以後に移入された外来生物のうち、在来魚の生態系に大きく害があるものを、特定生物に
指定し、防除その他の制限をしようとするものです。
制限の主な内容は
@ 飼育、管理、運搬などに関する制限
A 移入の制限
B 防除の方策
C これらを破った場合の罰則。
ただし、もし仮に指定されたとしても、上記の各魚種について、
釣ること、釣り上げたその場で放流すること(キャッチアンドリリース)には
制限は加えられていません。
この法律が施行されるまでの概要についてはここをクリックして下さい
(社)全日本釣り団体協議会はオオクチバスが指定された場合。
以下の主要な項目のように、今後のバスフィッシングに大きな影響があると考えられるため、指定魚種に
組み込まれることに反対の態度をとっています。
全釣り協は、従来から棲み分けを基本として、オオクチバス釣りに関し現状を踏まえた認識の
上にたち、社会的に容認される秩序の形成と、それに基づきこれ以上の拡散を防ぐための釣り
人の合意形成を提案してきています。
しかし、バスの完全駆除を主張する関係者との間に開きがあり、なすすべもないままに現在に
至っていました。
今回の会合で提出した考え方の概略は
@ 根源的な考え方として、すでに定着繁殖している生物を特定指定することに違和感がある。
A
もし、特定魚種に指定された場合、オオクチバスを“悪魚”と断定する面だけの認識が
さらに強くなり、これまで魚の生命を大切にしようという呼びかけに行動の原点を置いていた、
釣りを愛好する若者たちの心に計り知れない傷を負わせることになる。またバス愛好者の人口と
それが若者に占める比率を考えた時に社会的影響が大きすぎる。
B
すでにオオクチバスが全国的に生息しており、現実的に全面防除が困難である。
C 在来魚と外来魚の共生が進んでいる場所もあり、一律に防除との姿勢が必要とは思えない。
D
オオクチバスを有効利用して、魚類の生息環境を含めた管理を行いたい地元の意見が強ま
っている。
E
既に漁業権魚種に指定されている4つの湖(芦ノ湖、河口湖など)でも、現在の漁業権が
更新となる平成25年には、全面的に漁業権が認められなくなる可能性が強い。
F
一方で、バスなど外来魚の生息場所や生息数がこれ以上増えることは避けなければならな
い。このため適切な管理と秩序への組み込みが必要である。
などを掲げています。
第2回オオクチバスグループ会合において全釣り協が主張した「オオクチバスが指定魚種になった場合の
問題点」はここをクリック。
2回にわたる会合では、それぞれの主張に続いて、意見交換が行われました。まだ核心には至って
いませんが、従来の経過にこだわることなく、相互の認識の共通点を確認し、現実に採用し得る解
決に向け、前向きに方策を考え、合意できるよう議論をすすめるといったスタンスです。
感触では、これまでのようなバスの完全否定や即時排除ではなく、可能な場所や、貴重在来種が絶
滅に瀕している場所から、順に防除していく現実的な方向であることが見えてきています。指定の
可否については、まだ議論に至っていませんし、そのためにクリアしなければならない問題点を検
討していかなければなりませんが、やがては釣り人も合意の上で、現実的で適切な管理秩序が生ま
れることを期待しています。
オオクチバスグループ会合の議事概要(第1回、第2回)はここをクリック
第3回は 来る1月7日に、意見交換などを行う予定です。
オオクチバスの特定に関しては引き続き開かれる小グループ会合の結果を尊重し、1月下旬に
予定されている第2回全体専門家会議を経て
パブリックコメントを募り、結果をも判断材料として3月には政省令の公布となる見通しです
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