石川県で 外来魚問題対応・県水産課とも会合

石川県釣り協よりレポート

 

外来生物被害防止法が施工され1ヶ月半経ちます。石川県内ではブラックバス防除に向けての新しい具体的な取り組みは今のところ行われていません。しかし金沢市漁協が今年もまた「バスの買取」をはじめました。内川ダム水系のコクチバスの撲滅を目指していると聞いています。
石川県釣り団体協議会と致しましては、昨年の総会終了後、直ちに(平成173月)に緊急役員会を招集し「ブラックバス問題小委員会」結成することになりました。構成人員は10名です。石川県釣り団体協議会より3名 石川県釣りインストラクター連絡機構より2名 北陸バスフィッシング協会から5名の計10名と 県釣り協の役員が補佐として参加しております。
61日の外来生物被害防止法の施行後も何度と無く会合を持ち、先日も石川県農林水産部と石川県環境安全部自然保護課との会合を開くことができました。
以上のような様々な経緯をへて以下のように、石川県釣り団体協議会は「バス問題」に取り組んでいこうと方向性を決定しました。

@      我々釣人が「バス問題」について直接内水面漁連や関係団体との話し合いは行わないこと。会合や話し合いを持つ場合は必ず石川県農林水産部を窓口として行うこと。(これはバス問題が非常に感情的になりやすい問題なのであえて掲げました。

 A 「バス問題」の起因する根本を考え、今後「バスの密放流」や「立入禁止区域」の進入「釣り場でごみの投げ捨て」などを絶対になくすように、県釣り協がリーダーシップをとり釣り人に啓蒙し、指導できる環境つくりをしていく。

B   地域の人たちに我々釣り人を理解してもらうように、地域のボランティア活動には積極的に参加していく

 

以上のような活動内容になります。今後バス問題がどのような方向に行くのかは誰にも分からないことです。しかし法が施行された今は、法を厳守し、よりよい釣り場環境を作っていくことが我々の使命であり役割だと思っています。
昨今、ボランティア活動に積極的に参加し、釣り場環境の保全に努め、社会に貢献している釣人も多く見受けられます。しかしながら反対で立ち入り禁止区域への勝手な侵入や、釣り場でのごみの投げ捨ても平然と行われているのも事実であります。人としてのモラルの欠如がもたらす、非常に身勝手な行動だと思います。釣りをしない一般の人々も竿を持てば釣り人になります。気軽に誰でもやれるからこそ国民の娯楽として浸透しているのではないでしょうか。しかしその中で確立されたルールが無いままに、野放し状態にされていたと思います。この「外来生物被害防止法」も釣りのルールの一つとして受け止め、いかにルールの中で釣りを楽しんでいくかを考えるのが県釣り協の責務だと思います。
先日の会合のレポートを添えますのでご一読ください。


<県水産課との会合レポート>

 

1.日 時   平成1778 () AM10:0012:00

 

2.場 所   石川県庁 13F 農林水産部 水産課 1311会議室

 

3.出席者   石川県農林水産部 次長兼水産課長                    川村

                   水産課 主幹                   大橋 洋一

        石川県環境安全部自然保護課 専門員                       中島 健吾

        石川県釣りインストラクター連絡機構 会長                 金田 一義

石川県釣り団体協議会 副会長兼外来魚対策委員会委員長     森下 省三

事務局長                           道上 憲一

                     常任理事                           鍵元

        北陸バスフィッシング協会 副会長                         塩谷 和庸

副会長                         礒野 恒二郎

                      事務局長                       船木 一興

 

4.議事概要

 

<水産課 次長 川村氏のコメント>

 

○  先日、全国内水面漁業共同組合連合会(以下、全内漁連と略す)の近畿/北陸ブロックの会合が開かれました。そこで大きく取り上げられたのが外来魚問題です。全内漁連は「バスは撲滅すべし」としたスタンスをとることを再確認したそうです。「バス駆除」、「違法放流防止」がその骨子となります。

     それを見てもわかる様に、内漁連関係者の中にはバス釣り愛好者への不信感が根強く残っています。つまり、バス釣り愛好者の違法放流によってバスが拡散していったのではないか?との思いを拭いきれないのです。

     その現状を先ずはご理解いただきたい。

 

  ○  石川県農林水産部水産課(以下、県水産課と略す)としては、今までの経緯から、石川県内水面漁業共同組合連合会(以下、県内漁連と略す)より相談があった場合は、効率的な防除計画を提案しなければならない立場にあります。「外来生物法」が施行されたからには、県水産課としても国の定めた方針に異を唱えるわけにはいかないのです。

     この後は、国、県、民間による防除計画が行なわれますが、そこにバス釣り愛好者団体の意見が反映される余地はないかと思われます。適時、適地に防除計画を行ないますので、事態を冷静に受け止めていただきたい。

 

  ○  県水産課としては、国の定めた「外来生物法」に則り、全国的な流れに惑わされることなく石川県独自の方法で「外来魚問題」に対処していく所存です。

 

  <自然保護課 専門員 中島氏のコメント>

 

  ○  石川県環境案全部自然保護課(以下、県自然保護課と略す)としては、目下、情報収集に勤しんでいます。今後は外来魚生息状況、被害状況等を調査しながら適切に対応し防除計画を行なう所存です。

     バス釣り愛好者団体の意見も伺わせていただきたい。

 

<北陸バスフィッシング協会のコメント>

 

  ○  「外来生物法」の施行に伴い、各地方自治体レベルでの対応が求められる今、我々バス釣り愛好者も積極的に自然環境の保全や整備に関わっていく必要性を強く感じています。今後は行政(県水産課、県自然保護課)、県内漁連、バス釣り愛好者団体の三者間での話し合いによる足並みを揃えた対応が肝要ではないかと考えております。

     そこで、「外来魚防除活動に関する一提案」を提示させていただきます。今後の参考にでもしていただければ幸いです。

 

@       窓口の一本化

 

     現在、県下で活動するバス釣り愛好者をまとめる団体を新たに組織する運動を展開しています。主だったバス釣り愛好者団体代表を発起人とし、団体所属のバス釣り愛好者だけではなく、この度の「外来魚問題」を真摯に受け止めることのできる、問題意識を強く持った、個人のバス釣り愛好者も多数参加した団体を目下組織中です。

この様に、今まで横の繋がりを持たなかった各バス釣り愛好者をまとめ、窓口を一本化することで、行政並びに県内漁連に各バス釣り愛好者より集約した意見を伝えることが可能になります。又、今後、三者間で協議し決定された内容を上意下達する際にも大いに役立つものであると考えます。

その様な現状を踏まえ、早期にバス釣り愛好者をまとめる団体を組織することが急務であると考えます。

 

A       バス防除への直接的参加について

 

今後、行政並びに地方公共団体の主導の下、バスの防除活動が展開されていくと思われますが、バス釣り愛好者の占めるポジションは如何なものでしょうか。

5月中旬、環境省主導の下、「オオクチバス等防除推進検討会」が開かれました。その中で出席した「日本釣振興会」が次の様に述べています。「指定された水域での防除について釣り人は協力する。その際、捕獲したオオクチバスを特定飼養等施設の許可が下りると思われる漁業権4湖と閉鎖水域の管理釣り場に移していく。」というものですが、我々、バス釣り愛好者も強くそれを望みます。

前述の「オオクチバス等防除推進検討会」で同じく出席の「全国内水面漁業協同組合連合会」が述べているのですが、防除に伴う労力や経費は膨大なものであるそうです。それらを各漁協・漁業者に負担させることは困難なことかと思われます。少しでも負担を減らす為に、我々、バス釣り愛好者も参加したかたちでの防除活動が望ましいのではないかと考えます。

しかし、ここでひとつ問題があります。バス釣り愛好者は長く「キャッチ&リリース」の精神に親しんできました。その様な経緯により、バス釣りの対象魚であるオオクチバスをバス釣り愛好者自身が殺処分することに強く抵抗感があるという問題です。現在、組織化を進めているバス釣り愛好者をまとめる団体につきましても、対象魚の殺処分については反対の意を表明しています。なぜならば、対象魚の殺処分を掲げていてはバス釣り愛好者の賛同を得ることができないという現実的な問題があるからに他なりません。その問題を解決せねば、バス釣り愛好者が参加する防除活動の実現は事実上は難しいかと思われます。

そこで提案させていただきます。前述の「指定された水域での防除については、釣り人は協力する。その際、捕獲したオオクチバスを特定飼養等施設の許可が下りると思われる閉鎖水域の管理釣り場に移していく。」というかたちでの防除活動の参加を許可してはもらえないでしょうか。幸い、環境省の今法案の解釈として、第3回オオクチバス小グループ会合にて「防除の計画として実施される場合であれば、例えば生きたまま問題のないところに運び出す…云々」との見解を上杉企画官が発言されています。つまり、防除活動の一環とするのであれば一時的な飼養は許可される=提案した防除活動は、法律上は可能であるといえるでしょう。

窓口を一本化せねば防除活動の実行能力がなく、対象魚の殺処分ではバス釣り愛好者の同意が得られず窓口の一本化は難しい。そのような相反する現実を踏まえますと、バス釣り愛好者からの一方的な見解にはなりますが、提案させていただいた防除活動方法が唯一の落とし所かとも思われます。御一考、お願いできませんでしょうか。又、その他の問題解決の糸口がある様でしたら、宜しく御指摘、御教授お願い致します。前向きに考えていく所存です。

 

B       バス防除への間接的参加について

 

我々、バス釣り愛好者が防除活動に参加するという直接的行動に対し、間接的行動にはなりますが「違法放流」「ゴミの投棄」「禁止区域での釣り」などに挙げられるマナー向上に対する啓蒙活動があります。

昨今、問題とされている「違法放流」などを例に挙げますと、今まで法整備がされてなかったこともあり、事実上は野放し状態であったかと思われます。しかし、今法律で「違法放流」に対する罰則が指定されたことを考慮しますと、今後は「違法放流」を行うバス釣り愛好者はいなくなると信じております。(今までにバス愛好者の違法放流によりバスが拡散していった経緯は認めざるを得ません。が、今現在、その様なバス釣り愛好者は極めて少数であると信じています。その点をご留意願います)

万が一、その様なバス釣り愛好者が出ない様に「違法放流」は法律違反であることを強く訴え続けることが肝要です。その様な啓蒙活動を続けることが、間接的にオオクチバスの人為的な拡散を抑制することに繋がるのではないかと考えます。前述@のバス釣り愛好者をまとめる団体を基に、今後はバス釣り愛好者にモラルの向上やルール遵守を促し続けます。

    又、行政並びに地方公共団体(内水面の漁協など)がオオクチバスの封じ込め水域を管理、運営する際に、遊漁料もしくは湖面利用料を徴収してはいかがでしょうか。バス釣り愛好者を制限することにも繋がりますし、遊漁料もしくは湖面利用料を有効利用することで湖面の環境保全ができるのではないかと考えます。

 

    以上、@〜Bが我々バス釣り愛好者の外来魚防除活動に関する一提案です。この提案が総てであるとは毛頭思ってはおりません。何らかの解決の糸口になればと願っている次第です。

今後、話し合いの中で三者間に見解の相違をみることもあるかとは思いますが、柔軟な姿勢で対応していきたいと考えております。お互いの相違点を埋めていくことが可能であると信じております。

    どうぞ宜しく対応お願い致します。

 

<水産課 次長 川村氏のコメント>

 

○  北陸バスフィッシング協会(以下、HBFAと略す)の提案についてお答えします。

@       窓口の一本化

 

     今までなかった、バス釣り愛好者をまとめる団体が組織された経緯は理解しました。バス釣り愛好者間に情報伝達のための連絡網を確立したことも宜しいことだと思います。

 

A バス防除への直接的参加について

 

     バス釣り愛好者の方々に外来魚防除計画に参加した際に伴う痛みがあること、また、HBFAが防除に参加することで求心力を失うという現状については理解しました。

     それを踏まえた上で言わせていただければ、今後、県内漁連がバス釣り愛好者に防除計画への参加を促すことはないと考えます。前述したとおり、県内漁連のバス釣り愛好者に対する不信感は並々ならぬものであります。そのバス釣り愛好者と一緒に防除計画を進めることは現状は困難であると認識します。

     今後、県内漁連とHBFAの間に信頼関係が築かれることがあった場合については、あるいは?…ということがあるかもしれませんが、先ずはバス釣り愛好者の防除計画への直接的参加という提案につきましては、頭から離してみても結構かと考えます。

 

B バス防除への間接的参加について

 

何度も申し上げますとおり、県内漁連のバス釣り愛好者に対する不信感(違法放流しているのではないのか?),強いと言えます。それを払拭する為にも、バス釣り愛好者に対するマナー向上などの啓蒙活動は是非とも推進していただきたい。

「違法放流禁止」につきましては、県内漁連もHBFAも同じスタンスであり、HBFAがそれを掲げ実行していくことで、県内漁連のバス釣り愛好者への不信感も薄れていくのではないかと思うのです。先ずは、そのあたりから地道に一歩一歩、足元を固めていかれてはいかがでしょうか。

また、防除活動の提案とは話はズレますが、HBFAが進めている「清掃活動」「水質調査」等の地域社会への貢献などはとても良い活動かと思いますし、今後も長く続けていってもらいたいものです。

 

      県水産課としてバス釣り愛好者に求めたいのは、極力、県内漁連との対決姿勢は避けていただきたいということです。

今回、「外来生物法」でバスが指定されてしまったということは紛れもない事実なのです。その様な中で、県水産課としては漁業権のある水域、または稀少在来生物の生息する水域などの優先順位の高い水域から防除活動を進めていく予定をしています。それ以外の水域で、言い換えますと、県内漁連関係者、または地域社会とトラブルを起こさない水域でのバス釣りは禁止されてはおりません。バスは指定されてしまいましたが、バス釣りは禁止されてはいないのです。キャッチ&リリースについても然り。そこら辺のところに留意して、あまり神経質にならない様、お願いしたい。

今後、「外来生物法」に沿ったかたちでの正式な防除計画の申請は、現在、金沢漁協が進めている「バス買取」のような取り組みを核にして行われていくと思います。「外来生物法」が施行されたということで、各メディアなどが一斉に「バス問題」を採り上げますが、その様な運動に囚われることのない様、あまり過剰な反応を見せない様にすることが得策かと考えます。

 

  <自然保護課 専門員 中島氏のコメント>

 

  ○  Aのバス防除への直接的参加の項目の指定された水域での防除について釣り人は協力する。その際、捕獲したオオクチバスを特定飼養等施設の許可が下りると思われる漁業権4湖と閉鎖水域の管理釣り場に移していく」ということについてですが、環境省に問い合わせたところ、法律では禁止されているとの返答がありました。留意願います。

 

  <石川県釣り団体協議会 外来魚対策委員会委員長 森下氏のコメント>

 

  ○  この度は県水産課の方々にはお世話をおかけします。今後とも関係各所と足並みを揃え、対処していきたいと思います。今後とも宜しくご指導ご鞭撻の程、お願い致します。

 

     閉会…。




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